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サイト更新&執筆の記録と頂いたメッセージへのお返事。
『覆面作家企画8』 EブロックE01~E05 感想と覚え書き
『覆面作家企画8』EブロックE01~E05の作品読了しました。
以下、ネタバレありの感想と覚え書きです。覚え書きは、各作者様のサイト巡回をほぼできていない状態で、独断と偏見による独り言をつらつらと書いています。
E01 『銀の御手のサジタリウス』
■感想
重厚な雰囲気に引き込まれるハイファンタジーでした。
異端のサジが、自身の居場所と想い人を得るため挑んだ狩人の験し。
彼の事情は切実で、その心構えは、験しに敗れてもそれまで通りに生きていける、他の若者たちとはまるで違ったものだったのでしょう。
ゆえに聖なる山は、一角獣という大物を、試練としてサジに与えたもうたのかなと。
死という慈悲を与える手という、ふるう度に痛みをともなう剣を携えるようになったサジですが、プロメという温かな花がいてくれる限り、幸福の側に傾いて生きて行けるのだろうと思いました。

■覚え書き
登場人物の名前のせいもあり、神話っぽい。弓といえばアルテミス、ですよねー。
でもって、サジタリウス。アルテミスから弓を習ったケンタウロスなわけですか。くうっ。
描写が美しくカッコいい。字面がとてもいい感じ。ハイファンタジー書き慣れてらっしゃる方でしょう。


E02 『五月の庭、蕾の君は目を閉じたまま』
■感想
僕と親戚のおじさんこうちゃんのやさしいお話でした。
主人公のあきらはわかりやすく辛い、苦しいとは言わないのですけれど、逃げ出したいのは「騒がしい家」から、もっといえば「育てることが壊滅的に苦手な母さん」からで、そして「父さん」という言葉が皆無であり、さらには救いを求める先にいるのが「母親の従弟」のこうちゃんであるのも気にかかり、取り巻く環境の難しさが窺えます。
今頃授業を受けているのはで浮かぶのは、友達ではなく同級生で、学校にも上手く馴染めていない……まではいかなくても、親しい友達はいないのかな? という印象を受けました。
あきらの年齢は書かれていませんが、高校に進学し、新しくできた友達と、心を開いた友達には、なりきれていない位かな? と想像。
そんな風に息苦しくてたまらないとき、休息と栄養を取らせてくれる楽園のような場所があり、人がいてくれると救われますね。
こうちゃんの手と眼差しが優しくて、こちらの気持ちまでほぐされてゆくようでした。

■覚え書き
当初「あきら」は男の子と疑わずに読み、他の方のご感想等を拝見し、二度目以降は僕っ子かもしれないと思いながら読了。
結論、個人的にあきらは少年である方が萌える~。
BL風味に抵抗のない女性作者さんが書かれた少年、という印象。書かれることがあるかどうかわかりませんが、読むことはある方ではないかと。
余談ですがこうちゃん、むっちゃ好み。こういう穏やかな人大好き!
タイトルとか雰囲気とか、語りとか、すごく森崎さんっぽいんですけれどね、森崎さんじゃないと思う。
主人公の名前に、長年書いておられる営業課シリーズのヒーローの一人、映(あきら)を被せて来るとはどうしても思えない。
――という読者心理を逆手にとって、フェイクにつかって来られているのだとしたら、完敗ですけれども。


C03 『機械細工職人と機械義手』
■感想
師匠と弟子、それ以上でも、それ以下でもない、男女二人の物語。
男女だから男女であらねばならないという必然はなく、他のかたちにならなくとも、作品やその制作、アトリエ運営を通じて信頼し合い、繋がってゆける、二人の関係が羨ましくも切なくもあります。
アトリエや機械細工の描写にワクワク。きっと素敵なものだろうなと想像される、作品を見たいと思いました。

■覚え書き
スチームパンクとかお好きな方じゃないかな? ラピュタとかハウルの動く城なんかの、機械映像見るのお好きそう。
嫉妬や苛立ち、逆恨み等々、マイナス感情をばんばん生み出しそうな土壌なのに、まるでない作品だったのが個人的に斬新。
ドロドロ傾向のない方なのでしょうか? 尊敬が他全ての感情を凌駕していたならライザも幸せ?
クリフォードさんかわいい。おじさま萌え? 営業頼むよ、君なら出来る、とか乗せちゃったり、ちゃっかりしてる。


E04 『飲み干す残滓』
■感想
こんな弟は、嫌だ。
好きなのはわかる、わかります。だけど自分勝手すぎるでしょう。
私、「愛は惜しみなく与う」派でありまして……。自分の望みばかりを押し付けて、相手の気持ちを踏みにじるやつは許せません。
「弟」孝之を大切に思ってきたがゆえに、そうではなくなってしまった孝之を受け入れる決心をする、咲希ちゃんの気持ちが切ないです。
咲希ちゃんに身体を開かせたのは肉親の愛であり、異性として愛されることが無いのが孝之への罰でありましょう。
残滓を飲み干してもらった後に孝之は、かけがえのないものを壊してしまったことを思い知るとよいのです。

■覚え書き
背徳感の漂う作品は、それはそれで美味しくいただきます。(書きますしね)
しかし、孝之は許せーん!(まだ言ってる)
思春期姉弟を同室にさせてきた、両親もアホかー!!
腹立つのは、それだけ咲希ちゃんが可哀想に感じられるから。咲希ちゃんは弟思いのいい「お姉ちゃん」だったと思う。
一見、孝之だけは幸福になっているようで、誰も幸せになっていない結末に感じる。
他の方はどう感じたのかな? メリーバッドエンドというものでしょうか? タイトルが意味深。
人気者ヒーロー(但し表には出さない難あり)と普通の子ヒロイン、という対比が少女漫画的。


E05 『キズアト』
■感想
読んでいてぞくぞくしました。なにこれ、なにこれ、カッコいい! と。
読み進めるうちに、どんどんと種明かしされてゆく社会のシステム。
え、舞台は未来の日本でなんですか? という驚き。そして、先生の「貰って欲しいもの」が、予想外だった時のやられた感。
おそらく作者さんの思う壺にはまり、要所要所で高揚しました。
恋愛が封じられた世界の中で、恋と明言されることはないのに、先生に寄せるクレアの、純粋な恋心が輝くラブストーリー。
とっても面白かったです。この作品、大好きです。

■覚え書き
羅列される医療用語と世界の名作、そして軍事用語。作者さんの知識の広さが偲ばれる。
ルビが独特。チクった。ぼっち。
禁断の香り。エロくないのにエロティック。
うーん、お上手。大満足。SF書き慣れておられる方かなあ。
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